禁欲主義の問題
- 悠樹 阿部

- 2021年5月24日
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物に凝滞するなという命題に凝滞して、他人を不幸にするのは醜悪なことである。
無欲には高い価値があるが、禁欲主義は結局のところ<欲>という他律的なものを基準にした道徳であるという点で、享楽主義と選ぶところがないのであって、どのみち<欲>があるのであれば、それは満たされるに越したことはないのである。
政治は、<欲>に囚われた衆生が、幸福に―それがかりそめの幸福であるとしても―生きるための営みでもある。反成長とか、「みんなで貧しくなろう」といったお題目は、普遍的な正義でもないし、圧倒的多数の人間を混乱と不幸に陥れる道である。しかも、それを言っている当人たちが欲から自由であったためしを、私は知らないのである。




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